2023.10 .26
全国醸造機器用品展示会2023 in 赤煉瓦酒造工場に出展しました。


最近、話題のクラフトジンですが、クラフトジンに欠かせないのがジュニパーベリーです。1600年代に作られたといわれるジン。当時は、ジンが利尿作用や解熱、痛風に効くとして薬局で売られていたそうです。ジュニパーベリーの作用は古くから知られており、紀元1世紀に編纂されたという現在の医薬品の大元といわれるディオスコリデスの「薬物誌」にもその効果は記されています。まさに酒は百薬の長。古くから、薬として利用されていたジュニパーベリーを使ったジンは飲むだけでも身体に良さそうですね。

今回は、そのジュニパーベリーの蒸留水を上手に活用する方法をご紹介したいと思います。精油としても有名な「ジュニパー」はうっ滞除去作用が優れているため、浮腫みの解消や老廃物を流したい時には欠かせない精油の一つです。ヒノキ科であるジュニパーは、モノテルペン炭化水素類のαピネン成分が多く、森林浴効果が期待されることで有名です。これらの成分を少なからず含んでいる蒸留水をボディスプレーとして疲れた脚に吹きかければ、浮腫みの解消に繋がりますし、ルームスプレーとして利用すれば、森林浴のようなリラックスできる空間を作ることが出来る上、殺菌・消毒作用もあるので空間の除菌にも有効です。蒸留水は精油をブレンドしなくても十分にその成分の作用を得ることが出来るので、使い勝手がとても良いのが嬉しい点です。

お肌に対する効果としては、殺菌・消毒作用、収斂作用があるので、脂性肌でにきびなどに困っている方にも良いと思います。最近は、パソコンやスマホを使う時間が多く脳内疲労や眼精疲労を起こしている方が多く、ヘッドトリートメントが人気になっていますが、その際に使用するヘッド用のスプレーとしてもお勧めです。頭皮の脂を抑制しながら、凝り固まった頭皮や首をほぐすのにも効果的です。首の凝り、頭皮の凝りは認知症の要因になり得ると言われています。首、頭皮を柔らかくし常に血流を良くしておくことが認知症の予防に繋がります。認知症もある日突然なるのではなく、長年脳内に原因物質を蓄積させてきた結果です。発症するまでに25年かかると言われる認知症です。40代からはマスト、30代のうちから気を付けて、肩こり・首凝り・頭皮の凝りをそのままにしないことが大切です。

ジュニパー精油をアロマトリートメントで使用する際には、植物オイルに精油を混ぜて使用しますが、ジュニパーをブレンドしたオイルでトリートメントをすると一発で違いがわかります。(私的経験談です。)それぐらい、流す力が強いジュニパーは浮腫みや凝り、またダイエットなどにもとても有効です。個人差はあると思いますが、これらの解消に繋げたい人にとってはとても魅力的なジュニパーです。
精神面への作用は、ノルアドレナリンを出しやる気にさせる作用があります。森林浴の作用でリラックスしつつ、やる気も出させてくれるこの香りは、これからスポーツの試合に臨む前や、大事なプレゼンの前などに嗅ぐと良いかもしれません。

注意事項として、流す力が非常に強いジュニパーは、腎臓に疾患がある方は禁忌となっています。老廃物が一気に流れ尿量も増える為、腎臓への負担が重くなります。腎臓疾患がある方への使用はお控えください。また、妊娠中の使用もおすすめできません。
薬効成分が大いに期待できるクラフトジン、これからは健康酒としてブームが起きるかも。







アロマセラピーに通じている人はネロリと聞けば、「スキンケアの優れもの」というイメージがあるのではないでしょうか?また、鎮静作用もあるのでリラックスの作用などが思い浮かぶのではないかと思います。ネロリとは、ビターオレンジ(学名:Citrus aurantium)の花から抽出した精油のことを言います。ビターオレンジとは和名でいうダイダイのこと。お正月飾りに使われるちょっと大きめのみかんの実です。

今回本村アロマ蒸留所で蒸留試験をしたのは、蒸留所がある福岡県大牟田市の橘香園で栽培されている「宮川早生」の花です。「宮川早生」は、現在日本各地で栽培されている早生みかんのルーツとなった伝統あるみかんです。初秋により良い実をつけてもらうために、花が咲く時期に、摘花と言ってつぼみを手で間引いていく作業をするそうです。その際にとられたみかんの花はそのままでもとっても爽やかな良い香りです。摘花の後、本来であれば捨てられてしまうこの花びらですが、捨ててしまうのはもったいない!ということで蒸留水にしていただきました。厳密にはネロリウォーターではないですが、同じミカン科の花から採れる蒸留水の成分は大きくは変わりません。
みかんの花の成分には、美肌になりたいと思う女性に嬉しい成分がたくさん含まれています。新しい細胞の成長を著しく促し、弾力を回復する、少し年齢を重ねてきたお肌にはぴったりな作用です。エストロゲン様作用もあるため、ホルモンバランスの変化によるイライラや不安といったときにも役立ちます。また、リラックスを促す成分と活性する成分を半分ずつぐらいの割合で含んでいるため、リラックスもさせてくれますが、ほどよく元気にもさせてくれるような作用があります。

これだけ女性にとって嬉しい作用があるネロリですが、好き嫌いが分かれる香りでもあります。私自身、ネロリの香りはあまり好きな香りではありません。私のように、ネロリの成分をスキンケアに使いたいけれども、香りがあまり好みではないという方にお勧めしたいのが、ネロリウォーターと他の数種類の精油を使ったオリジナルの化粧水です。今回、私はネロリウォーター、マカダミアナッツオイル、フランキンセンス、クラリセージ、イランイランをブレンドしてオリジナルの化粧水を作りました。フランキンセンスもクラリセージも美肌には欠かせない精油です。ネロリウォーターをベースに細胞膜の組成に近いマカダミアナッツオイルを加え、美肌に良い精油を加えることで極上な化粧水の出来上がりです!市販で売っていたとしたら、高額な化粧水になることは間違いないです。美肌を目指しながらリラックスも出来る天然植物100%の化粧水。爽やかな中に甘さもある柔らかな香りに包まれながら、スキンケアの時間がとても贅沢なひと時になります。

日本の風土にとても相性の良いミカン科の植物は日本全国にたくさんあります。これまでは捨てられて当たり前だったみかんの花や枝、果皮、それらを資源として使うことで私たちの健康や美肌に活かすことができます。食料自給率の低さやエネルギー資源が少ないといわれる我が国ですが、私たちの身の回りには見落とされている資源がたくさんあるのかもしれません。6次産業の活性化が謳われてから久しいですが、今ある資源に目を向けて産業化していくことも大切なのではないかと思います。