2024.5 .1
アロマで地域ブランディング!



今年は2月に夏日のような日もあり、春が早くやってくるのかと思っていたら、3月には雪が降って季節が逆戻りし桜の開花も後ろ倒しになりましたね。みなさま体調は崩されていませんでしょうか?体調を崩すまでなくてもなんとなく身体がだるい感じを受けている方は多くいらっしゃるのではないかとお察しします。
私たちの体は常に体温を一定に保つために、寒い時には血管を収縮させて熱の放出を防いだり、代謝を上げるために心臓の拍動を促進するなど、自律神経が交感神経を上げることによって無意識のうちに調整されています。その為、季節が春に切り替わる「三寒四温」の時期はどうしても体のだるさを感じやすくなってしまいます。特に今年は寒暖差が激しいので、例年より注意が必要です。このだるさの原因は自律神経にあります。わかりやすくいうと自律神経が疲れてしまっている状態です。だるさを感じながら特に対処することなくそのまま放置しておくと、自律神経が疲弊し体の調節が上手く働かない状態になってしまい、だるさ→不眠→起き上がれない→うつのように徐々に状態が悪化します。このように体のだるさや不眠は最初の自律神経からのお知らせです。積極的に自律神経を休める(副交感神経を優位にする)ことをお勧めします。
ここ数年話題になっているサウナですが、サウナでアロマセラピーを活用することもおすすめです。サウナで言われる「ととのう」感覚は、交感神経と副交感神経に作用することで起こっています。熱いサウナと冷たい水風呂で交感神経を上げ、外気浴で副交感神経を上げる。この間に脳内物質のβエンドルフィンやオキシトシン、セロト体がリラックスするため「ととのう」という感覚を味わっています。また、最近は「ロウリュ」にアロマ蒸留水を使用しているサウナもあり、アロマの作用を活用してさらに身体のリラックスとホルモンの分泌を促しているところも増えてきました。すべてのサウナ施設に導入されているわけではありませんが、サウナに入る前や外気浴の際にアロマの香りを嗅ぐようにすると、それだけでも身体のリラックスとホルモン分泌を更に促してくれるのではないかと思います。サウナは高齢者や持病がある方にはおすすめできませんが、健康な方で日頃身体のだるさやストレスを感じている方には、自律神経を整える有効な活用方法かもしれません。
アロマセラピーの香りの中で副交感神経を優位にすることが得意なものに、ラベンダー、マジョラム、オレンジ・スイート、カモミール・ローマン、クラリセージ、ジャスミン、イランイラン、ベンゾイン、ヒノキ、ヒバなどがあります。これらの精油は香りを嗅ぐだけで瞬時に自律神経を副交感神経優位にしてくれます。サウナが苦手な方でも一日の終わりにご自宅でのバスタイムや睡眠時に使用するのも良いです。また、身体への有効な活用方法としておすすめなのは、お仕事の合間の日中にも香りを嗅ぐようにすることです。ティッシュやハンカチに1~2滴の精油を垂らしそれを鼻の近くで香るだけで十分です。自律神経がある本能を司る大脳辺縁系に直結している嗅覚の仕組みによって、瞬時に体が反応します。大脳辺縁系は無意識の領域なので、意識的には何もわからないかもしれませんが、確実に体は反応を起こしています。
また、自律神経のバランスを整えるために必要なものが幸せホルモンと言われる「セロトニン」です。セロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファンを材料として作られますが、朝日を浴びる、リズム運動をするなどで積極的に作ることが出来ます。セロトニンの分泌によって、自律神経の交感神経と副交感神経のバランスが取りやすくなるのです。アロマセラピーでは、香りを嗅ぐだけでセロトニンの分泌を助けると言われるものがあります。それが、ラベンダー、マジョラム、ネロリ、カモミール・ローマンなどです。朝起きたらカーテンを開け、部屋にアロマを香らせながら太陽の光を浴びるとセロトニンをしっかり分泌させることが出来ます。
新年度がスタートし、新しい環境や人間関係でストレスを感じやすい季節にも入ります。さらには寒暖差に対応するために、私たちの身体はとても疲れやすい状態です。温かい日が増え、桜も開花し過ごしやすい日が増えるこの季節。自律神経を整えることを意識し、いつも以上に自分自身の身体に目を向けて、積極的に日光を浴びる、天然の香りを嗅ぐなど心身ともにリラックス出来る時間を確保していきましょう。
サウナ「ロウリュ」にオススメ!本村アロマ蒸留水はコチラ
今年も花粉症の方には嫌な季節がまもなくやってきますね。今年は花粉の飛び始めが早くすでに症状が出始めている方もいらっしゃるようです。「花粉症対策にアロマが良い」という話は、皆さんすでにメディア等で見聞きするようになって久しいのではないでしょうか?
花粉症症状に一番多いくしゃみや鼻水、鼻づまり等には、ユーカリの精油が有効です。私は花粉症ではないので実体験ではないのですが、これまでにお会いした多くの花粉症の方々にユーカリ精油をマスクの内側にスプレー噴霧してもらったところ、噴霧した時とそうでない時の差は歴然というお声をたくさんいただいています。今年もすでに花粉症症状が出ている方、ぜひ試してみてください。詳しくお伝えすると、ユーカリの精油にはいくつか種類があります。花粉症の症状におすすめなのは『ユーカリ・グロブルス』です。ユーカリ・グロブルスには1.8シネオールという成分が多く含まれており、この1.8シネオールの作用で鼻水、鼻づまりを緩和してくれるのです。アロマ精油の専門店に行けば、ユーカリ・グロブルス精油はあると思いますのでお試しください。
また、昨年のコラムでご紹介した「邪払(じゃばら)」。こちらも花粉症の症状を抑えるとして近年話題になっています。今年はUHA味覚糖「邪払のど飴」がCMでも紹介されています。ナリルチンという成分が鼻水や目のグズグズする症状を抑えてくれるという臨床結果も出ていますので、まだ「邪払(じゃばら)」を試していない方はぜひお試しください!
そして、花粉症の方にぜひお勧めしたいのが『腸活』です。昔に比べて花粉の飛散量が増えた!?と言われることもありますが、同じ町に住んでいても花粉症になる人とならない人がいるのは何故か?一昔前には花粉症の人は今みたいに多くなかったですよね。なぜこのような違いがあるのかを考えてみたことがありますか?花粉症はアレルギー症状です。つまり、アレルギー症状が出るということは免疫力が落ちているということになります。近年、免疫力についてはメディアでもよく言われるようになりました。この免疫力に大きな影響を与えているのが腸内環境です。
腸内環境の研究は今現在も更に深まっていますが、特に腸内細菌についての研究が進み、人によって持っている腸内細菌が違うということが明らかになっています。その種類は500種類以上、100兆個以上の細菌が私たちの腸に棲みついているそうです。私たちの体は37兆個の細胞で出来ていますが、それをはるかに上回る菌が腸内にいるというのですから驚きです。多種多様な良い腸内細菌を多く持っている人は免疫力が高く、しかも精神的にも快活な人が多い。逆にあまりよくない腸内細菌を持っている、または細菌の数が少ない人は免疫力が低く、精神的にも落ち込みやすい。ということが明らかになってきています。
『腸活』をする上で一番に気に掛けるのはやはり、プロバイオティクスと言われる乳酸菌や酪酸菌などとプレバイオティクスと言われる食物繊維かと思います。腸内細菌は防腐剤や添加物にとても弱いので出来るだけこれらは減らしていきたいところです。そして、それらと同時にアロマセラピーを取り入れてみてはいかがでしょうか?
消化器官である腸は副交感神経が優位な時に働きが良くなるので、常にストレスがかかった交感神経優位な状態では腸の働きが悪くなり、どんなに良い菌や食物繊維を意識して摂取していても腸活の効果は半減します。そこで、アロマの精油が持つ薬理作用と精神的作用を上手に取り入れることにより、腸の働きを更に良くしていくことで、腸内環境をより良く整えていくことができるのです。消化を促進する作用があるペパーミントやオレンジ・スイート、マンダリン、レモングラスやジンジャーなどと同時にリラックス作用(副交感神経を優位にする作用)があるラベンダーやベンゾイン、ローマン・カモミールなどを一緒に取り入れていくことをお勧めします。
使い方は、植物オイルに精油を混ぜてお腹周りに塗り、お腹を「の」の字にマッサージしてあげるのがおすすめですが、トリートメントオイルが無い方は香りを嗅ぐだけでもOKです。香りを嗅ぐだけで十分に副交感神経は優位になりますので、腸の働きは良くなりますよ。
花粉症の症状が出てしまっている時には、対症療法としてユーカリ精油やじゃばら精油などを上手に活用し不快な状態を抑えることが出来ますし、花粉症から卒業したい!と思うのであれば、免疫力の向上という視点から腸内環境を整えること。そのためには自律神経のバランスも非常に重要になってくるので、リラックスのためにアロマセラピーを活用する。 (注:アロマ精油は必ず天然100%の物を使用してくださいね。)
「今年もまたこの嫌な季節がやってきた。」という状態からは抜け出して、花粉に負けない体づくりをしていきましょう!
香りの世界に携わっている方にはおなじみのレモングラス。また、生命力が強く防虫作用もあるため、庭先に植えている方も多いのではないでしょうか?和名では檸檬茅とも言われるように、見た目は茅と同じですが、触ると甘い爽やかな香りがするのが特徴です。そのように、生の状態でもとても良い香りがするため、ハーブティーやアジアの料理(トムヤムクン)の香りづけとしても有名です。
本村アロマ蒸留所で過日行われたレモングラスの試験蒸留で採取された蒸留水を、今回少し分けていただきました。レモングラスは精油で使用することはスタンダードですが、蒸留水で使用する機会はあまりないのでとても興味深く使わせていただきました。減圧蒸留で採取された蒸留水の香りは、とても柔らかく生原料を思わせる若干の草の香り。レモングラス精油の香りに比べるとだいぶ優しい香りなので、レモングラス精油の香りが苦手な方にはお勧めです。(私自身、レモングラス精油の香りは若干苦手なので蒸留水の方が使いやすいと感じました。)
実際に使ってみて思ったことですが、レモングラスの蒸留水は汎用性が凄い!消化器系の作用、防虫作用、抗菌作用、鎮痛作用、乳酸除去作用、リラックス作用、皮脂のバランスを整える収斂作用など多くの作用があるレモングラス。精油と違い、蒸留水はそのまま使用することが出来るためボディスプレーとして使用すれば、肩こり、筋肉痛、リラックス、スキンケア、消化促進、虫よけスプレーと万能なスプレーになります。また、ルームスプレーや掃除・洗濯に使用すれば、消臭・防カビにも有効です。
レモングラス精油は虫が嫌うシトラールという成分を多く含んでいるため、虫よけスプレーを精油で作る場合によく使用されますが、この成分には皮膚刺激があるため肌が弱い方は注意が必要です。しかしながら、蒸留水であればそのまま使用しても皮膚刺激も強くないので、敏感肌の方は使いやすいのではないでしょうか?(個人差がありますので、実際に使用する場合には必ずテストをお勧めします。)
また、レモングラスは南の国の植物なので、暑い時に役立つ作用を多く持っています。食欲がない時には食欲を出すようにしてくれますし、暑さで体力が消耗しているときには体力を強壮してくれる作用があります。これまでのアロマカウンセリングをしてきた経験から、精神的に疲れ体力も消耗しているような状態のときにレモングラスの香りを好む傾向がとても多いと感じています。副交感神経を優位にするリラックス作用もあるレモングラスなので、精神的にも体力的にも疲れてしまっている方にはぴったりなようです。特に、ストレスから胃や腸の不調を引き起こしている方は、ハーブティーや精油・蒸留水、どのような形でも良いので、是非使ってみて欲しい植物の一つです。
そしてもう一つ、レモングラスの嬉しいポイントは、生命力が強く繁殖能力が高いため、原料を安定的に収穫できることから、ハーブティーや精油・蒸留水など、どれも手に取りやすい価格帯の物が多いという点です。生の葉をハーブティーとして飲用することも出来るため、庭先やベランダで育ててみるのも良いですね。寒い季節に抗菌作用も相まって、免疫力のアップも期待できると思います。これからの季節、レモングラスの力を上手く活用できると良いですね。
アロマ蒸留試験はこちらから。